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スマホや身の回りの家電製品を充電したり、デジカメの写真をパソコンに移したり、今や誰もが日常的に「USB」を普通に使うようになっています。でも、いつも使っているのに、USBについてあまりよくわからない、という人も多いのではないでしょうか? 今回は知っているようで意外と知らない、USBについて説明します。
USBというと、普通USBメモリースティックの意味で使われることが多いですね。
ここからお話ししたいのは、もっと広い意味でのUSB接続の規格・仕様についてです。
知っておく事でもっともっと便利に正しく利用することが可能になります。
USBってそもそも何?
「USB」は「Universal Serial Bus(ユニバーサル・シリアル・バス)」の略です。覚える必要はなく、「USB」で通じてしまいます。一言でいうと、「USB」とはパソコンなどに、さまざまな周辺機器を接続する規格の一つだということです。
以前でしたら、パソコンに周辺機器を接続するためのケーブル・コネクタは、つなぐ機器の種類によって異なっていました。
例えば、プリンタは「パラレル」、モデムは「シリアル(RS-232C)」、キーボードやマウスは「PS/2」といった具合で、機器によってつなぐポートやコネクタ形状が違い、電源を入れる順序がまちまちだったりして、とても面倒でした。
そこでUSB規格が作られ、どの機器でも共通して使える仕様になりました。
性能の向上、規格の多様化などが進んでいる「USB」ですが、種類が多く表記もいろいろで混乱してしまいます。
ここからは種類とよく目にする表記 ( 規格 ) について説明していきます。
普及が進み規格・性能が進化した
USBはデータや電気信号、電気そのものなどをやり取りするためのインターフェイス ( ブリッジ ) です。
100円ショップなどで販売されている安価なUSBケーブルの中には、形状は同じでも、充電専用で、データのやり取りはできない場合がありますので、よく確認して購入しましょう。
USB接続の機器のパッケージの仕様を見ると、「USB 1.1/2.0対応」などといった説明書きが記されています。これはUSBの対応バージョンを示すものです。
USBの最初のバージョンである「USB 1.0」は1996年に登場。最初のUSBは非常に遅く、画像ファイル1枚送るだけでも何分もかかってしまうため、実用としてはキーボードやマウスなどの利用に限定されていました。そこで、速度を改善させるために、これまでにさまざまな改良が行われてきたのです。
現在一般的に使われているUSBのバージョンは、「USB 1.1」「USB 2.0」「USB 3.0」「USB 3.1」。
バージョンごとの違いの大きな点は、速度と供給電力です。基本的にバージョンの数字が大きければ大きいほど速く、供給できる電力も多くなっています。
USBの仕様比較
性能差1 | 性能差2 | |||
バージョン | 発表時期 | 速度 | 供給電力 | 主な用途 |
---|---|---|---|---|
USB1.0 | 1996年1月 | 12Mbps | – | キーボード/マウスなど |
USB1.1 | 1998年9月 | 12Mbps | – | キーボード/マウス/プリンタ/低速USBメモリなど |
USB2.0 | 2000年4月 | 480Mbps | 500mA | 中速・高速USBメモリ/外付けHDD/スキャナなど |
USB3.0 | 2008年11月 | 5Gbps | 900mA | 高速HDD・SSDなど |
USB3.1 | 2013年8月 | 10Gbps | 1000mA | 高速HDD・SSDなど |
L版の写真を自宅のプリンターで印刷する場合、元画像が500MBから800MBくらいないと綺麗に印刷できません。USB2.0の場合1枚分データを送るのに1〜2秒かかりそうですね。
さらに速度の違い、パソコンの性能よっても左右されますが、例えば、一般的な外付けHDDで5MB×1,000個のファイルをパソコンに転送すると、USB 2.0接続では約3〜4分ほど。USB 3.0接続時だと約50秒くらいになります。約4倍の速さになります。
USBコネクタは形状、性能の違いがたくさんある
一口に「USB」といっても、接続する機器によって多くの形状があります。販売店に買いに行っても種類が多くて迷ってしまうことがあります。このコネクターの形状を間違ってしまうと、ケーブルが使いたい機器と接続できないので注意が必要です。
また形状と規格(性能)が一対一とはなっていないので混乱してしまいがちです。よく確認するようにしましょう。
一般的な規格
USBは、まず大きく分けて「Type-A」「Type-B」「Type-C」の3タイプがあり、形状の種類をいいます。差し込む方の端子をコネクター、差し込まれる穴の方をポートといいます。
「Type-A」
最もポピュラーなタイプで、パソコンの背面や、USBハブなどの「接続される側(がわ)」の機器で利用されるコネクターです。
「Type-B」
プリンタやスキャナ、外付けHDDなどの周辺機器側で主に利用されます。
「Type-C」
最近はこのタイプが主流になっていて、これまでのコネクターと異なり、コネクター部分に上下の区別がなく、差し込み方向を間違える心配がありません。大量のデータを高速で転送することが可能になっています。
このUSBのタイプは、「USB-A」「USB(A)」(AをB、Cと読み替える)などと表示されることもあります。
Type-A USB 2.0とUSB 3.0の2種類
2.0や3.0の数字表記は、USBの性能 ( 速度、供給電力の量 ) の差を意味しています。
同じ形状なのでどちらでも使用は可能ですが、2.0のポートに3.0のコネクターを挿しても、2.0の性能しか発揮できません。このことを、「下位互換」といいます。
平らな長方形の形をしたUSBコネクタがUSB Type-Aです。
USB Type-Aコネクタは、USB 2.0とUSB 3.0に対応しています。
USB 2.0の転送速度は最大480Mbps、USB 3.0の転送速度は5Gbpsとなっています。
USB 2.0のコネクターは白か黒、 3.0のタイプは青い部材が使用されています。
延長コードのコネクターはオスとメスが一対になっています。
Type-B USB 2.0とUSB 3.0の2種類
台形の形状をしているコネクターが、USB Type-B(USB 2.0)です。
外付けのハードディスクやプリンターなどに採用されていることが多い規格です。パソコン本体には、この規格を接続できる端子はなく、デバイス側にこのコネクタが採用されています。
ですから、片方がUSB Type-A(USB 2.0)で、反対側がUSB Type-B(USB 2.0)となっているケーブルを使って、パソコンと外付けのハードディスクやプリンターなどと接続します。
転送速度は、最大480Mbps
USB Type-B(USB 2.0)のコネクタの上に、さらにコネクタがついたような、二階建て構造のコネクタが、USB Type-B(USB 3.0)です。形状が違うので、同じType-Bでも、USB Type-B(USB 2.0)との互換性はありません。こちらも、USB Type-B(USB 2.0)と同様に、パソコン本体に端子はなく、周辺機器に採用されている規格です。転送速度は、最大5Gbps
Type-C (USB3.1)
平らで楕円形の形をしたコネクタが、USB Type-Cです。
USB規格としては、USB 3.1に対応しています。
これまでのコネクタと異なり、コネクター部分に上下の区別がないため、差し込み方向を間違える心配がありません。
転送速度は、最大10Gbps
その他の規格
よく使われるタイプ以外に、用途が比較的限定されている規格もあります。普段あまり意識しないかもしれませんが、紛失や破損時の買い替えなどに、確認してメモしておいた方が良いかもしれません。
USB mini(A/B)
小さな台形の形をしたコネクタがUSB miniA 2.0。
現在はあまり使われていませんが、以前はデジタルビデオカメラなどに利用される事が多かった
形状は台形を逆さにしたような形をしています。Mini-Bと間違えないよう注意しましょう。
同じ台形でも上下の辺の長さの差があまりないのがUSB miniBです。mini USBと呼ぶ場合もあります。
コネクタが小さいことから、デジタルカメラなどによく使われる規格です。
しかし、抜き差しを繰り返すと壊れるという耐久性の問題があり、現在は後述するUSB microにその座を奪われています。
転送速度は、USB 2.0なので最大480Mbps
USB micro(A/B)(USB 2.0/USB 3.0)
形状は長方形のMicro-A端子です。小さいのでMicro-Bと見間違わないよう注意しましょう。長方形ならMicro-Aです。
Androidスマホやタブレットで標準的に利用されており、小型家電品の充電用としても用途が広がって、コネクターとしては最も一般的なものになってきています。
USB3.0のMicro-Bはやや特徴的な形をしています。その形状はUSB2.0のMicro-Bの横にさらに長方形のコネクタが追加された形となっています。 モバイルHDDの接続などに使用されています。
USB規格と形状一覧
メーカー独自形状タイプ
一部の製品では、各機器の機能に最適化するために、メーカー独自の形状のコネクタを採用している場合があります。
例えば、iPhoneやiPad、iPodなどでは、アップル独自のコネクタが採用されています。
iPhone 4Sまでの機器の場合は、幅広の「Dockコネクター」が利用されており、iPhone 5からは「Lightningコネクター」というコネクターが導入されました。
ただし現在Macのノートパソコンでは、電源ケーブルも含めてUSB-Cタイプが採用されています。
またデジタルカメラなどでは、付属している充電やデータ取り込みのケーブルやドックスタンドが、メーカー独自の規格で作られているケースもあります。ケーブルを間違えて差し込むと機器の破損につながりますので、取扱説明書などでよく確認しましょう。
また各種のUSB機器が接続可能なドッキングステーションと呼ばれる多機能ハブも販売されています。
USBを使用する機器が増えるに従い、何種類ものケーブルを使い分けるのが面倒、機器の仕様が変わって古いケーブルが使えないなどの不便を解消するためにいろいろな変換アダプターが発売されています。価格も手頃なのでお困りの方は探してみる価値はありそうです。
ここからは少しコアなお話になります。読み飛ばしてもOKです。
USBのさらなる進化
ご覧いただいたように、さまざまな規格が存在するUSBですが、現在では続々とUSB Type-Cが主力になりつつあります。その理由は、
1.USB 3.1/3.2で規格化された最大10Gbpsの高速伝送が可能なこと
2.コネクタ部分に上下の区別がないこと
3.USB Power Delivery(パワーデリバリー/PD)に対応していること
4.さまざまな機器と接続できるオルタネートモード(Alt mode)の採用
です。
転送スピードの進化
USB Type-Cは、次世代転送規格USB 3.1に対応し、速度は最大10Gbpsとなっています。このスピードであれば、例えば1GBのデータなら約1秒で転送できます。
現在USB 3.0は、アップデートに伴い「USB 3.1 Gen1」と表記されることになったため、従来のUSB 3.1は「USB 3.1 Gen2」と呼ばれる場合もあります。
また現在は既にUSB 3.2が登場し対応が進んでいます。
USB Power Delivery(パワーデリバリー/PD)に対応
USB Type-C最大の特徴が、USB Power Deliveryに対応したことです。
今までパソコンなどの充電に使用していたのは、ほとんどが独自のコネクタを使ったACアダプタです。スマートフォンでは先行してUSBでの充電が一般化しています。
大容量の電力が欠かせないノートパソコンなどを充電できる新しいUSB給電規格としてUSB Power Deliveryが生まれました。USB Type-CがUSB Power Deliveryに対応したことで得られたメリットは、
1.USB Power Delivery対応ケーブルで接続ケーブルを一本化
2.最大100Wの電力供給で対象機器の増加や充電時間の短縮が可能
3.ACアダプタが共通化
4.ロールスワップで電力の供給側と受給側を入れ替えできる
オルタネートモードでUSB以外の信号を利用可能
USB 3.1に対応したUSB Type-Cは、USB規格以外の信号を流せるオルタネートモードを利用することができます。
これにより、USB Type-CケーブルでもHDMIの信号を流すことができ、テレビモニタなどに映像出力ができようになっています。また、Apple製品などに採用されている「Thunderbolt 3」という高速通信規格も利用できるので、Thunderbolt 3に対応したケーブルであれば40Gbpsという高速通信が可能となります。
使用上の注意点とまとめ
少し硬めの紙を小さくちぎって、接点復活剤を噴霧し、接点を擦ると、このように汚れが取れます。
意外と知らないうちに接触不良の原因になっています。
USBは規格 ( 呼び名 ) がいろいろあって混乱してしまいがちですが、使いやすく、充電ケーブルやUSBメモリーなど日常欠かせないものになっています。
周辺機器を購入すると、ケーブル類は付属していることが多いですが、付属していない場合や、買い直す場合は規格と仕様をしっかり確認しましょう。
機器を多数接続する場合はUSBハブが便利ですが、外付けHDDや外付けDVDドライブを併用すると、バスパワー*だけでは電源が不足してうまく動作しなかったり、スマホの充電ができないことがあります。コンセントから電源をとるACケーブルが付属しているハブ ( セルフパワー ) を選びましょう。
*バスパワー
パソコンのUSBポート(バス)から電源供給を行なう方式です。マウスやキーボード等消費電力の少ない機器に適しています。
USB以外にもいろいろな規格があります。パソコンのディスプレイやTVへの出力はにはDVIやHDMIなどのコネクターが必要になります。
あるいは、直接接続せず、Wi-FiやBluetoothという無線を使う接続方法も普及しています。環境、用途に合わせた対策が必要になりますね。少しずつ理解して、機器を上手に使いましょう。
USBは取り扱いが簡単なのでついつい粗雑な扱いになったり、ポートやコネクタターの湿気や埃、変形に無頓着になりがちです。
そのままにしておくと機器が破損したり、データが読み込めなくなったりすることがあります。エアーダスターや接点復活剤、クリーニングキットなどを活用して、定期的にメンテナンスをしましょう。
最後までお読 みいただき、ありがとうございました。
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