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ここから、知っておくとデジタル音楽がより楽しくなる、基本知識の話をします。
1.前書き
NO MUSIC! NO LIFE!という言葉の意味は、音楽がなければ生きていけない、ということ。タワーレコードのキャンペーンテーマに採用されて広まった言葉のようです。
人生の節目節目には記憶を呼び覚ます忘れ難い曲や音楽があります。音楽は人生そのものかも知れません。
音楽を聴くと自然と前向きな気持ちになれたり、ホッとして癒されるなど、様々なうれしい効果がありますね。
音楽を全然聴かない! という人は別として、ロック、RAP、ジャズ、クラッシック、POPS、歌謡曲、演歌など好きなジャンルがあったり、嵐や乃木坂46ばかり聴いているという人だっているでしょう。
聴き方は人それぞれです。
因みに私は何でも聴く節操なし人間です。
少し前のドキュメンタリー映画*1で、家族と専門医が協力して、重度認知症の高齢者の人たちに昔の懐かしい音楽をiPodで聴かせたところ、症状が劇的に改善したという内容を紹介していました。
どんなに症状が進んでいても、「音楽とともに、心は生きている」ということを教えてくれた映画でした。
このことは、「音楽療法」として確立され、様々な症状の改善策として医療や介護の現場で活用が進んでいます。
ストレスを抱えることの多い私たちが心を解放するために、音楽はなくてはならないものだと言えます。
*1 「Alive Inside」( 邦題:パーソナルソング ) 2014 アメリカ
・YouTube (音声あり、注意)
・Amazon Prime DVD
・Amazon Prime Video ( 2022/2/20 現在配信停止中 )
デジタル化の時代に、デジタルだからこそ楽しめる「音楽の聴き方」
また後半(B面) ではSpotifyやAmazonPrimeなどのストリーミングサービスほか、具体的な音楽の聴き方についてご説明しています。
2.人はなぜ音楽に夢中になるのか?
1.音楽は祈り
1万年ほど前、人間は道具を使い、狩や麦などの栽培を集団で行うようになりました。( 新石器時代 )
他の動物に襲われたり、自然の災害など危機が訪れると自然発生的に祈ることが行われ、木で石を叩いたり、やがては太鼓などの原始的な楽器が工夫されて使われるようになりました。
これが音楽の始まりと言われます。
幼児に音楽を聴かせると、体を動かし歌い始めます。音楽は人間の遺伝子に書き込まれているようです。
2.音楽は気分を盛り上げてくれる
音楽は自信を与えてくれ、集中力を向上させる、士気を高める、幸福感を向上させるなどの効果がみとめられ、これらは科学的にも証明されています。
ある研究では、さまざまな音楽を参加者に聴かせながら、いろいろな種類の顔文字を見せ、その顔文字が嬉しい・悲しいのどちらを表現しているかを判断してもらう実験が行われました。
(-ι- ) ( ་ ⍸ ་ ) (。-_-。) ( ꒪⌓꒪) (´- ̯-`)
どちらともつかない表情の顔文字でも、明るい曲が流れていると、参加者は嬉しい顔に見えたと報告されています。
重苦しい音楽の場合はどうでしょうか。ご想像のとおり、悲しい顔に見えるという結果になりました。
この研究では他にも、音楽を聴くことでより自信を取り戻しやすくなり、長距離走のタイムや人前でのスピーチなど、どんな場合でも成功につながりやすいマインドを獲得できるということが示されました。
さらに、重要なプレゼンテーションを準備しているときや、クライアントとのミーティングを前に山のような書類を苦労して読もうとしているときに、音楽によって脳のドーパミン神経回路が活性化し、情報を処理するモチベーションや集中力がさらに高まるということが分かっています。
3.音楽は体を癒やしてくれる
ハードなトレーニングや、気の乗らない朝のランニングに取り組むときにはお気に入りの曲がモチベーションを高めてくれますが、トレーニング後に音楽を聴くことも有益であると報告されています。
トレーニング後にスローテンポの音楽を聴くと、心拍数とコルチゾール(体のストレスホルモン)の分泌レベルが下がり、正常な値に早く戻ることで、リラクゼーション効果が高まるという研究結果が報告されました。
4.音楽は気持ちを落ち着かせてくれる
ストレスに悩まされているときも、音楽が役立ちます。
自然な睡眠の促進や不安の緩和に効果を発揮。音楽を聴いて瞑想している人の脳をモニターした科学者によると、心地良い音楽は脳波の速度を整え、リラックスした瞑想状態にしてくれます。
あなたの心を落ち着かせるためには、あなた自身がリラックスできると感じる曲を選ぶこと。リラックスできる曲がよく分からない場合は、ジャズやクラシック、ケルト、パーカッションのサウンドトラックなど、異なるジャンルの曲を聞いて、最も落ち着く音楽を確かめてはいかがでしょうか。
5.音楽は行動するよう促してくれる
行進曲や、授業のはじまりの「起立・礼!」のピアノ、下校のチャイム、お店の閉店時の「蛍の光」など、私たちが耳にすると自然に体が動く音楽がありますね。
現在、この脳から身体への自然反応を利用した様々な音楽が、効用別にジャンル分けされて配信サービスなどにも多数用意されていてます。
また公共の場や個人生活の中で、BGMとして活用されています。
3.音楽の移り変わり
1.演奏形態の移り変わり
目的、場所、嗜好の多様化で変化をしてきた音楽の形態。
( 豊作や厄除けなどを祈る原始的な音楽→街角で歌う吟遊詩人→貴族の邸宅でのサロンコンサート→本格的なホールでのコンサート→大衆化した様々なコンサート )
2.聴き方の移り変わり
録音技術の発明を皮切りに、メディアがオルゴールから始まり、レコード盤、テープ、CD、デジタルファイル、そしてストリーミングと発達進化をしてきました。
今では誰もが、どこでも自分の好きな音楽を選んで聴くことができるようになっています。
4.アナログ音楽とデジタル音楽
音楽は空気の振動として耳に届く「アナログ」のデータ ( 情報 ) です。
それを記録することで、いつでもどこでも聴くことができるように音響技術が発達してきました。
音響装置はもともとアナログである音楽(音源)を、できるだけ忠実に、アナログに戻して耳に届けてくれます。
♫音楽➠マイクロホン➠録音機➠編集・調整作業➠メディア➠プレーヤー➠アンプ➠スピーカーやイヤホン➠👂耳
その間の過程で従来のアナログ信号からデジタル信号に置き換えるのが音のデジタル化、作られたファイルがデジタル音楽ファイル、それを記録したものがデジタル音楽メディアということになります。
(左)アナログ信号 : 音を連続的に、物理的な形の変化として記録します
(右)デジタル信号 : 音を抽出して、数値で記録します
もっと詳しく知りたいという方は、こちらのサイト (外部サイト:島村楽器Digiland)がとても参考になりますのでご覧ください。
何をどう聴くのかで用意するメデイアと対応する機器が違ってきますね。
ここで今一度「アナログ音楽メディア」と「デジタル音楽メディア」の種類と特徴についておさらいしましょう。
1.アナログメディアとデジタルメディアの違い
1.アナログメディア
アナログメディアの主なものは、レコード盤と、カセットテープでしょう。現在では少数派になっていますが、アナログ独特の音質*注にはいまでも根強い人気があるようです。
特にカセットテープは取扱いや持ち運びの簡便さによって1970年代に広く普及しました。自分でレコードやFM放送を録音したり、お気に入りの曲だけを集めたりした方も多いでしょう。プレーヤーもラジカセやウォークマンタイプまで、家電各社から多く販売されました。
今でも昔録音したカセットの音声を懐かしんで聴かれている方もいますね。
*注 アナログメディアには耳に聞こえない低い音、高い音もすべて記録されていて、滑らかで自然な音がすると感じられるようです。一方デジタルの音は比較的音の輪郭を強調した、はっきり、くっきりした音がすると言われます。若い人には新鮮味もあって、アナログの「人間味」のある音が最近再評価されています。
人が創る音楽の1曲の長さはまちまちですが、レコード盤やテープの収録基準に合わせて、音楽の長さが調整されるようになりました。
・レコードは、ピックアップの針で、レコード盤に刻まれた溝の凹凸を読み込みます。
表面と裏面に記録されているので、片面が終わると手で返して再生します。自動でひっくり返す装置もあったようです。
・テープは磁性体に記録されたデータを磁気ヘッドが読み込みます。ステレオ2チャンネルで両面4トラックに記録されています。始めは片面が終わると取り出して再生面を替えていましたが、80年代にはオートリバース機能が普通になりました。
メディア素材の向上と録音・再生機器の性能向上が進められましたが、音を連続的に、物理的な形の変化として記録しているにもかかわらず、埃や湿気、レコード針や磁気ヘッドの摩耗、メディアそのものの劣化などが重なり、時間の経過とともに原音の再生が難しくなることが避けられません。
この事が、やがてメディアのデジタル化につながっていく要因となりました。
<レコード> | エジソンによって発明された、音源をそのまま記録する初めての技術。 |
SPレコード | 今は資料としての用途が主。毎分78回転、およそ5〜6分の記録時間。 |
EPレコード | シングル盤と同じ17cm、毎分45回転、およそ8分で片面2〜3曲を記録。 |
LPレコード | 30cm、毎分33 1/3回転、片面およそ25分の記録、両面で交響曲が1曲記録できる長さとしてきめられた。 |
<テープ> | 磁性体を塗布したテープに磁気ヘッドで録音、用途により多数の規格がある。 |
オープンリールテープ | 幅約6mmの磁気テープで、現在は業務用の一部で使用、専用の機器が必要。 |
カセットテープ | フィリッブス社が開発したケース入りテープ。Sony Walkmanの発売で広く普及。30分、45分、90分、120分などの記録・再生。 |
2.デジタルメディア
「レコード」はたわみやほこり、傷、また針の状態などによって音が影響を受けます。
「テープ」は伸びてしまったり、磁気、カビなどの影響を受け劣化します。
マニアの中には、アナログの方が「人間味があって、温かい音がする」といってこだわる方もいますが、時代はデジタル化へと加速化していきます。。
音楽CDには、音の再現に関しては記録された数値データのみで、他の要素はほとんどありません。そのためクリアな音質 ( 音楽 ) が長期間、維持・再生できます。(カビ、汚れ、傷の影響は要注意)
① CD ( コンパクトディスク )
レーザーを照射してしてディスク面の記録層を変質させることで書き込み、レーザーを照射した反射で読み込みを行います。データは幾層ものコーティングで保護されています。
パソコンでも記録・再生ができますが、現在は重量と厚みを減らす携帯性重視のためCDドライブがない機種も増えています。
音楽CDとして流通するディスクの大部分はCD-DA形式で、下表のような規格になっています。
音楽CDとはこの規格に沿った光ディスク、またその光ディスクを媒体とする音楽ソフトのことも指します。
データ形式 | リニアPCM |
---|---|
サンプリング周波数 | 44.1kHz |
ビットレート | 1411.2kbps |
量子化ビット数(ビット深度) | 16bit signed |
チャンネル数 | 2.0chステレオ |
各項目の詳しい意味を知りたい方はこちらのサイト(外部サイト:島村楽器Digilandさん)をご覧ください。
★ちなみに世界初の商用CDソフトとして発売された音楽CDは、1982年にリリースされたビリー・ジョエルのアルバム『ニューヨーク52番街』でした。
② デジタル音楽ファイル
人の耳に聞こえる音は、低い音で20Hz、高い音で20kHzくらいまでの間。この人に聞こえる音を「可聴音」と呼びそれ以外の音を省くことでデータを効率的に小さく圧縮します。容量を小さくする事で、受け渡し、保存、管理がしやすくなります。
ただし、アナログメディアには耳に聞こえない低い音、高い音もすべて記録されていて、滑らかで自然な音、人間味のある温かい音がすると感じられることもあるようです
圧縮しデジタル化された音楽ファイルには様々な方式・形式があり、それぞれに異なる特性があります。
違いなどがわかれば、曲を取り込んだり、活用する際の参考になりますね。
以下、代表的な音楽ファイル形式の種類と特性をまとめたものです。
形式名 | 拡張子 | 特 性 | CD-DA*1 45MB |
---|---|---|---|
WAVE | .wave | ・ウェーブやワブなどと呼ばれている ・Microsoftが開発したWiindows用の音声ファイル形式 ・非圧縮ファイルのため、データサイズは大きい ・CDとほぼ同じ音質 ・ジャケット写真や歌詞などは付けられない | 1.50GB |
AIFF | .aif | ・エーアイエフエフ、アイフなどと呼ばれている ・Appleが開発したMac用の音声ファイル形式 ・一度圧縮(変換)すると、元に戻せない非可逆圧縮のファイル形式 | 44.6MB |
MP3 | .mp3 | ・エムピースリーと呼ぶ、( MPEG-1 Audio Layer-3 の略 ) ・データサイズは、原音の約10分の1 ・曲数を多く入れたい方におすすめ ・CDとほぼ同じ音質 ・ジャケット写真や歌詞は付けられる | 6.1MB |
AAC | .aac .mp4 .m4p など | ・データサイズは、原音の約10分の1・MP3の後継にあたるファイル形式 ・MP3より若干データサイズが大きいが、音質は良い。 ・曲数を多く入れたい方におすすめ ・一度圧縮(変換)すると、元に戻せない非可逆圧縮のファイル形式 | 8.9MB |
FLAC | .flac | ・フラックと呼ばれている ・データサイズは原音の約半分 ・ハイレゾ(高解像度)音源の1つで高音質 ・音質重視の方におすすめ ・ジャケット写真や歌詞も付けられる ・変換後も元に戻せる可逆圧縮のファイル形式 | 1.50GB |
*1 : CD ( CD-DA形式 ) で大きさが約45MBの曲を、各ファイルに変換した時の大きさ ( iMac iTunesでCDから変換した場合の参考値 )
CDの最大収録時間は次のように計算できます。
・サンプリング周波数 44.1 kHz
・ビット深度 16 bits
・チャンネル数 2 ch(ステレオ)
で記録するので、1秒間のデータ量は
16 x 2 x 44.1 x 1000 ÷ 8 = 176,400 (bytes/s)
従って、記憶容量700MBのCDの最大収録時間は(1MB = 1024kB, 1kB = 1024B で換算)
700 x 2352 ÷ 2048 x 1024 x 1024 ÷ 176,400 ÷ 60 = 79.644… ≒ 80(分)
となります。
CDからパソコンに、さらにスマートホンに音楽データを「取り込む」方法はこちらの別記事をご覧ください。
2.デジタルメディアが優れている点
デジタルメディアはなぜアナログメディアに取って代わるようになったのでしょうか?
デジタルメディアの優位点を挙げてみましょう。
レコードやカセットテープとCDの違いをイメージするとわかりやすいかもしれません。
- 1.保存性に優れている・・・物理的な重量、保存スペースが圧倒的に小さくて済む。
- 2.劣化しにくい・・・外的要因でデータが劣化したり壊れてしまうことが少ない。
- 3.整理、検索がしやすい・・・データの検索と並び替えができる。
- 4.物理的な移動が不要・・・ネットワークを利用してやりとりが簡単にできる。
- 5.インターネットとの親和性が高い・・・世界のどこへも瞬時にデータを送ることができる。
などが思い浮かびますね。何よりも誰もが手軽に、簡単に扱えるのがメリットと言えるでしょう。
3.良い音楽と良い音
良い音楽と良い音は分けて考えたいものです
名盤と呼ばれる昔のクラッシックやジャズを聴くと、スクラッチ音がひどかったり、ステレオでなくモノラルだったりします。逆に録音が良く再生機器が優秀で素晴らしい音がしていても、演奏がイマイチだったりすることはありえるわけです。
音の良さは録音された時の音源の音質によって決定づけられます。技術の進歩によりRemaster・音源の改良が行われる場合がありますが、その効果はやはり限定的で、新しく現在の最新機器で再録音しない限りは、悪い音は直せないのです。どんなに高価な最新の再生機器をもってしても、です。
良い演奏を楽しむことが大切だと思います。
音楽は多様で、ジャンルやアーティストの好みは人それぞれですし、聴く条件もまちまちです。
音も、伸びのある高音が好きな人、弾む重低音を重視する人、低音から高音までがバランスの取れていることを最上とする人などいろいろです。
シチュエーションによって変わることだってありますね。大切な人といる時、朝と夜、仕事中、ランニングやヨガの時、ベッドに入る時・・・聴きたい音楽、欲しい雰囲気が変わってきます。
昔夢中になった音楽を、今一日中聴き続けるのは難しいかもしれません。逆に何年も聴いていなかった音楽を無性に聴きたくなることがあるかもしれません。
装置にばかり気を取られることなく、持っている機器で十分音楽は楽しむ事ができます。
音楽家、アーティストは、良い音で聴いてもらいたいということはあるにしても、思いの発露である自身の音楽性、演奏や歌を聞き手が理解し共感してくれることを第一に望んでいるはず、と私は考えています。
ここまでデジタルとアナログの違い、それぞれの特徴などを説明してきました。小難しい話ばかりで済みません。
B面(後半)ではデジタル音楽を楽しむための具体的な方法についてお話をしていきます。
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