ギターは中世後期のヨーロッパで生まれた古楽器。初期のギターは、現代のギターと比べてもっと細身で厚みがあり、くびれも小さかったようです。もともとは4組の弦を持ち、そのうち3組が2本で、残りが1本の弦でした。合計7本の弦。
その後改良が加えられて、シングルの弦へと置き換えられ、現在でも標準的な調律になっている
E-A-D-G-B-E‘
という調律がされるようになりました。
アコースティックギターは、
・フラメンコを代表とする民族音楽
・クラッシック・ギターなど
スチール弦を使用するアコースティックギター(通称:フォークギター)と電気的に増幅させる「エレクトリック・ギター」は
・フォークソング
・ロック・ポップスなどのポピュラー音楽
などジャンルが広がっていきました。
現在では、さらに電子化されたギター・シンセサイザーも活躍しているのはご承知の通りです。
ジャズが誕生した頃は、中が空洞になっているアコースティクギターしかなく、増幅器を使うソリッドギターは存在せず、もちろんロックというジャンルもありません。
ピックアップのないアコースティックギターでは、アンサンブルでは音量的に埋もれてしまい、現在のような主役的楽器ではなく伴奏楽器、いわゆる脇役だったのです。
なんとか音を大きくして、演奏の主役になりたい!そんなギタリスト達の想いが募ってゆくなか、1930年代にピックアップマイクを搭載したギター、GIBSON/ES-150を携えたギタリストが レジエンド”チャーリー・クリスチャン” でした。
ウェスはスタイルを更に進化させ、それまでアクセント的に使われるだけだった オクターブ奏法を多用し、ジャズ・ギターの代名詞にまでなりました。ギターを弾く人ならわかると思いますが、このような弾き方は左手の力量が半端なく要求されますよね。
*オクターブ奏法は、2本の指で1オクターブ離れた音を同時に押さえながら弾いていくので、左手全体の移動がとても激しくなります。
現在でも最高のジャズ・ギタリストと称される、ウェス・モンゴメリーは、ジャズギターの世界で絶大な影響力を持ちながら、実は音符を読むことが出来ませんでした。1923年アメリカ・インディアナポリスに生まれ、1965年に45歳の若さで亡くなっています。
今回ご紹介するのはジャズギターの神髄ともいえる名演 、ウェス・モンゴメリーの「フルハウス」。
ジャズギタリストが初めて行った公式ライブ録音です。 カリフォルニア州バークレーの「TSUBO・クラブ」で録音され1962年にリリースされました。
ウエスの迫力あるグルーブ感は言うまでもなく、当時の最高のリズムセクションとの共演、聴衆の熱気も含めた一発録りの技師たちの緊張感まで伝わるようです。現在の録音技術や機材と比べて差はあったと思いますが、音質のレベルを克服してあまりある 「 Live Jazz」 に包まれます。
とにかく1曲目の「Full House」聴いてみてください。確かに、多くの日本のギタープレーヤーにも影響を与えていることが実感できます。
1966年から67年ごろはPOP志向の強い「A Day in the Life」や「California Dreaming」などのアルバムもリリースされています。POPファンの方はより心地良く聴けるかもしれません。
Full House : 録音1962年 Live At 「Tsubo」 / Concord Records
曲
- Full House 9:09
- I’ve Grown Accustomed to Her Face 3:25
- Blue ‘N’ Boogie 9:35
- Cariba 9:37
- Come Rain or Come Shine(Take 2) 6:55
- S.O.S.(Take 3) 7:16
- Come Rain or Come Shine(Take 1)
- S.O.S.(Take 2) 4:46
- Born to Be Blue 7:24
演奏
・Wes Montgomery (guitar)
・Jonny Griffin (tenor sax)
・Wynton Kelly (piano)
・Paul Chambers (base)
・Jimmy Cobb (drums)
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