♫ Jazz散歩「KENNY DORHAM / QUIET KENNY」

Jazz散歩

2022.11.132023.12.21

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トランペットはJazzの一番の花形楽器、Bigなスターがわんさかいます。

モダンジャズの元祖ディジー・ガレスピーから始まって、マイルス・デイビス、ファッツ・ナバロ、クリフォード・ブラウン、フレディ・ハバード…ナット・アダレイ、アート・ファーマー、チェット・ベイカー…キリがない ( 脳の退化で名前をなかなか思い出せない! )

演奏のスタイルも多様で、バップ〜モダン〜クール〜ウェストコースト〜フリーjazz などいろいろな系譜に乗って多くの名プレーヤーが現れました。

その中で忘れられないのが KENNY DORHAMケニー　ドーハムとの出会い。

マニアの友人にすすめられて聴いた「Quiet Kenny」のジャケット写真は、Jazz プレーヤーというより朴訥なおっさん、今ならモーガンフリーマンのような地味ーな印象でした。静かなジャズなんだと思い込む。

アルバムの1曲目「Lotus Blossom」( 蓮の花 ) はドラムスとベースの掛け合いから始まり、ピアノからの、ケニーのトランペットが勢いよく入ってくる。そのあとメロディとアドリブを飛ばし続けて、なかなかの元気さ、これは拾い物と見直した。うるさくないけれど、少しも「Quiet・クワイエット(静かな)」じぁないなあ。
後半には変拍子まで聴かせてくます。

しかし2曲目の「My Ideal」は一転して、ゆったりしたバラードに。チェット・ベーカーを思い起こさせるような、メロディが美しく、心に残る演奏です。Bed Time Music にも良いかもしれません。

アルバム全体ではテンポのある曲と、バラードをバランスよく配置されています。

ケニー・ドーハム ( ダーハムとも言われる ) は1924年8月、テキサス州生まれで、7歳からピアノを習い、ハイスクール時代からトランペットを吹くようになりました。19歳でプロ入りし、ディジー・ガレスピーなどのビッグバンドで演奏、その後チャーリー・パーカーのコンボで腕を磨き、55年にジャズ・メッセンジャーズの初代トランペッターとなって名声を確立しました。
モダンジャズ創世期のど真ん中にいた人と言って良いかも知れません。

フランス映画の音楽を担当したり、雑誌に記事を書いたり、貧民救済活動をしたりと、とにかく多彩な活動を行い、1972年12月、48歳ので亡くなりました。

‘カリスマ’ではないけれど、聴く人を惹きつける魅力のある演奏で、Clifford Brown や、Chet Baker につながるメロディアスなプレイは貴重だと思っています。

このアルバムは、1959年ルディ・バン・ゲルダースタジオで録音され Prestige Record からリリースされました。

全てなじみやすいメロディアスな演奏で、ラストにシナトラなどでお馴染みの「マック・ザ・ナイフ」が入っていますので、入門者の方にもおすすめです。

Quiet Kenny : 録音1959年モノラル ( Van Gelder Studio ) / 発売 1960年2月 ( Pretige )

Discog ► 平均評価 : 4.72 / 5

曲目

“Lotus Blossom” (Dorham)- 4:40
“My Ideal” (ニューウェル・チェイス) – 5:06
“ブルーフライデー”（ドーハム） – 8:46
“アローン・トゥゲザー” (ハワード・ディーツ、アーサー・シュワルツ) – 3:11
“Blue Spring Shuffle” (ドーハム) – 7:38
“I Had the Craziest Dream” (ゴードン,ウォーレン) – 4:40
” Old Folks ” (デデット・リー・ヒル、ウィラード・ロビソン) – 5:11
“マックザナイフ” (ベルトルトブレヒト,クルトヴァイル) – 3:02 ボーナストラック

演奏者

・ケニー・ドーハム　( トランペット )
・トミー・フラナガン　( ピアノ )
・ポール・チェンバース　( ベース )
・アート・テイラー　( ドラムス )