このアルバムを初めて聴いたのは、渋谷にあったJazz喫茶。大学2年の時で、もちろんLPレコードの時代。友人にJazzを聴けと感化され始めた頃でした。
初めて聴いた時、青江三奈さんが歌っているのかと思いました!
実際青江三奈さんもJazzを歌っていますが。
「ニューヨークのため息」と呼ばれた哀感漂うハスキーボイス、知的で都会的な歌声。 そして、クリフォード・ブラウンの素晴らしいトランペットソロが聴ける。
クリフォード・ブラウンの熱くて静かなトランペットは絶品としか言いようがないのだけれど、やはりこのアルバムの主役はヘレン・メリル。どの曲も歌詞と声がしっとりと落ち着いた大人の女性を感じさせてくれるる。
1954年 ヘレン・メリル 25才の時のモノラル録音。日本でも高い人気を得ていて、メリル自身は「どんなバック・バンドと共演している時でも、”You’d Be So Nice to Come Home To”のイントロが始まると、観客が熱狂するのよ」と語っているそうです。
そのアレンジは当時気鋭のクインシー・ジョーンズ。一時、住まいがヘレン・メリルとご近所さんで、質素な暮らしをしていたとメリルは回想している。
70年間ジャズ界を牽引してきたメリルは88才のになった2017年、引退を表明し、2017/4/19、4/20、4/22の3日間、ブルノート東京でフェアウェルコンサートを行いました。
最近のオーディオ装置で聴くには、モノラル録音なので物足りなく感じる人がいるかもしれないけれど、音質より素晴らしい演奏そのものを楽しんでください。
一人になりたい時に、静かに聴き入るのがおすすめです。まさに上質な大人の時間を堪能できます。
※曲目
1.ドント・エクスプレイン – “Don’t Explain” (Arthur Herzog Jr., Billie Holiday) – 5:17
2.ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ – “You’d Be So Nice to Come Home To” (Cole Porter) – 4:24
3.ホワッツ・ニュー – “What’s New?” (Bob Haggart, Johnny Burke) – 5:05
4.恋に恋して – “Falling in Love with Love” (Richard Rodgers, Lorenz Hart) – 3:58
5.イエスタデイズ – “Yesterdays” (Otto Harbach, Jerome Kern) – 6:05
6.ボーン・トゥ・ビー・ブルー – “Born to Be Blue” (Mel Tormé, Bob Wells) – 5:20
7.スワンダフル – “‘S Wonderful” (George Gershwin, Ira Gershwin) – 3:15
※参加ミュージシャン
・ヘレン・メリル – ボーカル
・クリフォード・ブラウン – トランペット
・ジミー・ジョーンズ – ピアノ
・バリー・ガルブレイス(英語版) – ギター
・ミルト・ヒントン – ダブル・ベース(on #1, #2, #6, #7)
・オスカー・ペティフォード – チェロ、ダブル・ベース(on #3, #4, #5)
・オシー・ジョンソン – ドラムス(on #1, #2, #6, #7)
・ボビー・ドナルドソン – ドラムス(on #3, #4, #5)
・ダニー・バンク – フルート、バリトン・サクソフォーン
・クインシー・ジョーンズ – アレンジ、指揮
リリース | 1955年 |
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録音 | 1954年12月24日 (#1, #2, #6, #7)、24日(#3, #4, #5) ニューヨーク ファイン・サウンド |
ジャンル | ジャズ |
時間 | 33分27秒 |
レーベル | エマーシー・レコード |
プロデュース | ボブ・シャッド |
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